410 ステンレス鋼と 410S ステンレス鋼の主な違いは、炭素含有量と用途にあります。
410ステンレス鋼は、最低11.5%のクロムを含む汎用ステンレス鋼です。優れた耐食性、高い強度、硬度を特徴としています。バルブ、ポンプ、ファスナー、石油産業向け部品など、中程度の耐食性と高い機械的特性が求められる用途によく使用されます。
一方、410Sステンレス鋼は、410ステンレス鋼の低炭素化鋼です。炭素含有量は410(最大0.15%)よりも低く(通常約0.08%)、410Sステンレス鋼の炭素含有量は最大0.15%です。炭素含有量の低減により、溶接性が向上し、鋭敏化(粒界に沿ってクロム炭化物が形成され、耐食性を低下させる原因となる)に対する耐性が向上します。そのため、410Sステンレス鋼は、焼鈍箱、炉部品、その他の高温用途など、溶接が必要な用途に適しています。
要約すると、410 ステンレス鋼と 410S ステンレス鋼の主な違いは、炭素含有量とそれぞれの用途です。410 は炭素含有量が高い汎用ステンレス鋼ですが、410S は低炭素の変種で、溶接性と耐鋭敏化性が向上しています。
投稿日時: 2023年5月23日